健友俳壇 第10回  (平成311月)

健友俳壇は、会員の皆様が気軽に参加できる事業として、平成26年7月号から掲載が始まりました。
 今回は、一般の句と健友旅の句に分けて選句と講評をさせていただきました。

一般の句

●特選(二句)

にこやかに 平成終の 暦かな   矢部 登喜子

「平成終の」がいいですね、安堵と喜びと「平成は良かったなあ」と誰もが感慨を覚えます。

静か夜は 雪降り積むや 音を吸い  山田  理  

綺麗な句です。私の故郷は東北ですのでよく解ります。「音を吸い」という表現がとてもいいです。

●入選(四句)

色付きし 柚子の実 風に揺らぎけり 大塚 やい子

景がよく見え、作者に柚子の実が風に揺らいだという一瞬の感情もよく表現されています。

負け越しの 年を忘れて 杯を乾す  武居 正次

負けた悔しさと「よし来年は頑張るぞ」と乾杯の声が聞こえてきます。

虫の音も あの夏の日の 有りてこそ 日向 日出子

本当に昨年の夏は暑い日が続きました。そして今虫の音を聞いている安堵感を感じます

雲が去り 野湯に煌く しずり雪    山田 常雄

雲が去り露天風呂にしずり雪が煌いていた。静かなほっとする景ですね、「野湯に煌く」がいいです。(しずり雪は屋根や木の枝などから落ちる雪又は落ちた雪)

健友旅の句

●特選(二句)

冬紅葉 朱の欄干を 凌き照り    守屋 俊明

「凌き照り」で冬の紅葉のすばらしさを表現した大変優れた句です。

彌彦山 霧の裾野に 紅葉栄え     岩瀬 雄一

彌彦山の裾野に霧がかかり、少しずつ霧が晴れ、みごとな紅葉が見えた景がよく解ります。「紅葉栄え」がとてもいいです。

●入選(七句)

神渡る 橋より赤き もみじ谷     大境 登志子
ちょっと大げさですが、よく解る句になっています。

濡れ落葉  踏み天仰ぐ もみじ谷  金井 信男
良い天気で濡れ落葉ともみじ谷の組み合わせがとてもいいです。

もみじ狩り はやる気をもむ 岳のきり 小城 恭子
「はやる気をもむ 岳のきり」がいいですね、作者の思いが伝わります。

冬晴の 車内で語る 古き友      日向 義博
楽しい仲間と語り合う状況が見えてくるいい句です。いいですね。

越後路を 義父偲びつつ 刈田過ぐ  田村 久仁子
義父は農業を営んでいたのですね、作者のやさしさがよく見えます。

菊薫る 拝での道や 清々し      瀬川 惠美
うまいですね、「菊薫る 拝での道や」で清々しさが解ります。

右左 弥彦のぐるり 紅葉燃ゆ     日向 日出子
少々表現がオーバーですが「紅葉燃ゆ」が効いています。

投稿の句

一 般(五句)

ゆらゆらと 柿取る竿の 空真青  大境 登志子

冬日和 マラソン会や 君走る   日野原 志津江

隠居決め 炬燵に籠り 舟を漕ぐ  島田 あい

安達太良に 二人日和の 冬日さす 高橋 幹子

秋暮れに 佇む猫や 哲学者    KHさん 

健友旅(四句)

荒海を 渡りし雲や 冬紅葉    山田 常雄

酒仕込み 語るくちびる もみじ色 宮川 修一

越後路の 秋うららかな バスの旅 荒井 操

一本の 茎より咲かす 菊作り   赤塚 きみ

俳句は、五・七・五の十七文字で表す世界で最も短い詩といわれています。

五・七・五というリズムに乗せると何でもないことも素敵に感じ、気分がよくなります。

健友俳壇は十回目を迎え皆様の俳句も素晴らしい句になってきました。これからも楽しく俳句を作っていきましょう。 
                   
           今井弘雄
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