健友俳壇は、会員の皆様が気軽に参加できる事業として、会報第72号(平成26年
7月号)から掲載が始まり18回目となりました。
今回は、秋の「健友旅行」が実施されました。一般の句4名、旅行の句12名の
会員から投稿があり、16句の選句と講評をさせていただきました。
今回の講評は、津久井たかをさんにお願いしました。
●特選(3句)
◎ 霜焼けと 擦り傷の餓鬼 古希を過ぐ 武居 正次
70歳を過ぎ、今は昔の時代を思い、腕白だった少年時代をしみじみと懐かし
んでいる。「餓鬼」が効いています。まとまったよい句です。
初霜が解け始めた朝、花を浮かべた手水鉢で手をすすぐと、すがすがしい
気分に。初冬の頃の朝の情景がよく捉えられ、心情が詠まれています。
◎
足利に まなびやしのぶ 秋日暮れ 田村 弘治
秋の日暮れのなか、有名な足利学校の昔をしのぶ。旅情がよく伝わります。
「秋日暮」が効いています。
●入選(3句)
◎ 朝焼けに 黄金色づく 大銀杏 日向 義博
朝焼けに、さらきだに黄色の大銀杏が、一段と黄金色に輝く。
情景を見事にとらえて詩情ありですね。素晴らしい。
◎
鰯雲 横切り抜けて 尾翼行く 日向 日出子
面白いショットですね。「横切り抜けて」の表現がユニーク。
「尾翼」でもいいのですが、「機影」ではどうでしょう。
◎ 渡良瀬の 川面を染める 散り紅葉 岩瀬 雄一
大景がいいですね。「散」で情景に動きが出て出色です。
●投稿の句(10句)
1 せせらぎに 彩り添える 紅葉かな 瀬川 恵美
2 秋の宵 光あふれて 足利路
宮川 修一
3 友と笑み 新蕎麦すすり 満ちる笑み 小城 恭子
4 足利の 花野に映る アートかな 細井 榮一
5 秋の宵 イルミに映える 花と月 岩瀬 法子
6 小春日に 健やかな友との 夜光会 寺西 幸雄
7 秋の旅 足利学校 試験受け 山田 常雄
8 足利の 光の祭典 欠ける月 矢部 登喜子
9 紅葉あおぎ イルミネーションと 皆既の月 佐藤 昭弥
10
青天も 酒客目落とし 銀杏へ 榎本 一郎
◎感想
今回の健友俳壇は、一般の句4句、旅行の句が12句計16句となりました。
一般の句が少なかったため、一括して選句することになりました。
また、僭越ながら小生が選句を担当させていただきました。
全体として佳句が多く感服いたしました。選外でしたが、3の句は、友と談笑し、
新蕎麦がきたところで満足している様子、その経過がわかって面白いと思いました。
7の句もちょっと俳味があるように思います。
それでは、選句にあたって気づいた点をいくつか申し上げます。
今更ですが、ついうっかりしてしまいますね。
〇季語は句意に沿って慎重に選んで下さい。また季重ねに注意して下さい。
〇中9の句がありました。中7は絶対ではありませんが、定石です。
中7の字余りはできるだけ避けて下さい。
〇句材が多く詰め込み過ぎの句が見られます。焦点を絞るように努めて下さい。
〇独りよがりの句にならないよう、注意して下さい。
〇基本的には、俳句も文芸でオリジナリティが大事です。
ご一緒に勉強しましょう。
さて、選者の今井弘雄さんのご体調により、今回に限り、代理を会報部から仰せつりました。果たしてその責めを果たせたかどうか心配です。句友の皆様には、ご寛容のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。今井さんは、かつて区の俳句会でご指導を頂いた先輩です。1日も早いご全快をお祈り申し上げます。