健友俳壇 第十四回 (令和3年1月)

春の健友旅行に続き、秋の健友旅行も中止となったため、一般の句だけの選句と講評をさせていただきました。

特選(2句)

◎ 米寿なほ 若き装ひ 冬薔薇     島田 あい

88歳になっても若き装いで生活を楽しんでいらっしゃるのですね。この句の素晴しいところは、下5句の「冬薔薇」がよく効いて句を引き締めています。私は84歳ですがこの句を読んで元気がでてきました。

 静まれる 古家に色添う 柚子たわわ 日向 日出子

景色がよく見えるいい句です。「古家に色添う  柚子たわわ」がとても良いです。

柚子がたわわに実っている光景が、目に浮かぶ素晴らしい句となりました。


●入選(5句)

 篠の笛 踊れぬ夏に 風ぞめく     宮川 修一

コロナでお祭りが中止になったのでしょうか。「踊れぬ夏に 風ぞめく」がとても良いです。楽しみにしていたお祭りでの「篠の笛」を聞くことができなくなり、踊りもできなくなり、大変残念ですね。  

コロナ禍に 籠りてひとり 愛でる酒  日向 義博

コロナ禍の句は、お酒飲みの人には、よく解ります。新型コロナが流行している間は、おとなしく家に居て下さいと、家族に言われましても・・・どこにも行けないのなら、せめて一人でお酒を嗜むしかないですよね。

ねじり花  兜太の色紙 竹寺に       大境 登志子

ねじり花は、もじずりの花のことを言います。その花が、金子兜太の色紙と一緒に竹寺にあったということですね。ねじり花、兜太の色紙、竹寺の組み合わせが、とても良いと思います。

ひれ酒も 教わりしことの 一つなり  武居 正次

酒好きな私には、ほっとする良い句です。お酒を飲み始めの頃、「ひれ酒」を教えて頂いたのでしょう。「一つなり」が良いです。その後は、いろいろな種類のお酒の飲み方について、更に奥深く教えて頂いたのではないでしょうか。

 眠りくる 孫を背負いて  冬ゆくし   田村 弘治

孫を背負って歩いていたら、孫が眠り始めました。孫への愛が、冬を感じさせてくれました。「冬ゆくし」が、とてもよく効いています。

投稿の句(4句)        

 冬寒し 部屋の掃除は ロボットに        日野原 志津江

実は、私の家も居間の掃除は、ロボットが働いています。家全体をロボットに任せているのではなく、よく使う居間の掃除だけをロボットが担当しています。       

年の暮 マスクの流れ 仲宿へ          山田 常雄

下五句の「仲宿」を知らない人には無理ですが、「マスクの流れ 仲宿へ」は、仲宿界隈を熟知している人にはよく解ります。

雨上り 三原色の 柿落葉            矢部 登喜子

「三原色の 柿落葉」私には解りますが、少し難しいと思います。今落ちた葉、風に吹かれて落ちた葉等、それぞれ落葉にもいろいろと色が違います。同じ落葉でも多種多様あります。

ひき続く 面会禁止 冬は来ぬ            高橋 洋子

引き続き面会禁止は、病院の見舞いのことでしょう。今は、どこの病院でもコロナで面会禁止になっています。せっかく面会に行ったのに残念です。外は、もう冬になっているのに・・・

今回の健友俳壇は、一般の句11句の投稿となりました。昨年は、コロナ禍で健友の事業もほとんどが、中止となりました。家に籠ってどこにも行けない場合は、俳句づくりを試みてはいかがでしょうか。五・七・五のリズムに乗せて口ずさんで下さい。

毎日の生活の中に、俳句の材料が沢山転がっているはずです。コロナが落ち着いて、健友旅行が再開されれば、会員の皆様からより多くの俳句を拝見することができます。

この時期に情景が見えるように具体的な表現を磨いて頂ければ、次回の健友俳壇が楽しみになりますので、お互いに頑張りましょう。

今井 弘雄

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