健友俳壇  第十七回    (令和四年七月)

健友俳壇は、会員の皆様が気軽に参加できる事業として、会報第72号(平成26年7月号)から掲載が始まり、今回で17回目となりました。新型コロナ感染拡大が続く日常も3年目に入り、春の「健友旅行」が中止となりました。11名の会員から投稿があり、一般の句のみの選句と講評、ワンポイントレッスンをさせていただきました。

特選(3句)

大輪の アジサイ一輪 部屋豊か     青山 幹子

  アジサイが、一輪あるだけで、その部屋が豊かになることが、よく見えます。

大輪のアジサイが、 よく効いているとてもよい句です。

◎ ひとり旅 桜舞い散る ホームかな     梅澤 輝男

  この句は、「ひとり旅」と「桜舞い散る ホームかな」がよく合っています。

特に「ひとり旅」がこの句にぴったりとした、とてもよい句です。

富士の背に 燃え落つる陽や 土手土筆   矢部 登喜子

「富士山と土手土筆」の組み合わせが素敵です。

大きな富士山と、ほんの小さな土筆との組み合わせが感動的です。

このような句を今後とも大切にして下さい。

入選(3句)

  亡き母と 空也のもなか 盆の夜     茂木 良一

景色がよく見えます。「空也のもなか」がシンプルでよく効いています。

  木枯らしや 梢におどる 凧かなし     金井 信男

「梢におどる」「凧かなし」がとてもよく効いています。 

  渓飛沫 レンズに浮かぶ 夏の宵       山田 常雄

 「渓飛沫 レンズに浮かぶ」が夏らしくよく効いています。

●投稿の句(5句)

五十にて 逝きし夫なり 盆支度       大境 登志子

みなとみらい 海はしずかに 春を待つ   日野原 志津江

水無月や はっきりせぬ日も 心地よき  日向 日出子

梅もぎて 酒かジュースか 半分こ        日向 義博

太陽を 一回りして 夏来たる         武居 正次

◎ワンポイントレッスン

健友俳壇一般の句11句の投稿がありました。俳句を作り上げるのに大切なことは、

何度も読み返して、推敲と添削を繰り返し完成させていくことです。

推敲とは、充分に吟味して練り直すことをいいます。

添削とは、書き加えたり削ったりして改めることをいいます。

有名な俳人の名句でも、何度も推敲と添削を繰り返して完成しています。

例えば、松尾芭蕉の

(しずか)さや  岩にしみ(いる)  (せみ)(こえ)

は、はじめは

山寺や   (いわ)にしみつく 蝉の(こえ)

から

さびしさや 岩にしみ(こむ)  蝉のこ()

と推敲していき、最後にいまの句になったわけです。

このように、どんな俳人でもたくさんの駄句の中から何度も推敲し、試行錯誤を

重ねて作り上げていきます。推敲や添削を重ねていくうちに何かを見出すことが

できます。でも、すぐに推敲や添削はできるものではありません。

まず、コツをつかみましょう。

健友の皆様もウイズコロナ時代に合わせて、ご自宅や訪問先で俳句の練習を重ね、

次回も多くの会員からの投稿をお待ちしております。

今井 弘雄

次へ    戻る    目次に戻る